一点ずつ仕様が違う製品にも対応!オリジナル加工品のための設備×運用づくり

●課題:名入れ特注品などのカスタム製品を販売したい
今回は、受注ごとに名入れやロゴ入れなどのオリジナル加工を施した製品の販売体制を整えたいというご相談を受けて、特殊印刷設備の導入と運用フロー構築を実施した事例をご紹介します。
ご依頼企業様は、これまでオンライン・オフラインを問わず対応してこなかった「一点ずつ仕様が異なるオーダーメイド商品」の展開にチャレンジし、売上拡大につなげたいという明確な目的をお持ちでした。たとえば、化粧品容器に名前やメッセージを刻印してギフトに仕立てるといったような、特別感のある商品が対象です。こうした商品は近年、ECを中心に需要が高まっており、注文ごとに異なる仕様に対応できる体制づくりが不可欠です。その実現には、新たな製造・出荷フローやシステムを一から設計する必要があり、導入には高度な運用設計が求められました。また、これまで通りのサービス品質をしっかり保つことも、欠かせないポイントのひとつでした。
●対応:設備導入に加え、運用体制もゼロから見直し・再設計
当社にとっても、オリジナル加工をともなう一点モノ対応は新しい取り組みでした。目的に沿った体制を整えるため、システムや運用を一から設計し、生産・品質の流れを固めていきました。
●導入設備:印刷・彫刻に対応する2種の特殊設備を導入
導入したのは、最新の印刷機と彫刻機。少量・多品種にもしっかり対応できるため、オリジナル製品づくりを無理なく実現できるようになりました。
UVインクジェットプリンタ <2台>
素材を問わず直接印刷が可能で、自由なデザイン表現に対応。
レーザー彫刻機 <3台>
短時間での加工が可能で、仕上がりの美しさにも定評があります。
●品質対策:検品工程を強化し、見えないところまで丁寧に
導入した設備を最大限に活かすために欠かせないのが、人の目と手による丁寧な作業です。単に設備を導入するだけではなく、納品する商品の品質をどう保つか、どうすれば購入者の手元に届いたとき満足いただけるか──その視点を大切にしながら、各工程を丁寧に設計しました。例えば、すべての印刷作業の前にはテストプリントを実施し、仕上がりや内容に問題がないかを事前に確認。さらに、通常の検品に加え、プリントされたデザインが正確かどうかをチェックする工程を加えることで、ミスのない品質管理体制を実現しました。
また、製品によっては静電気により埃が付きやすい素材もあるため、帯電防止剤の塗布や拭き取り作業を行い、細部まで配慮した品質対策を徹底しています。
●導入後の効果:既存商品の出荷増に加え、新たな製品で月2,000件超の受注
本取り組みによって、インクジェットプリンタ対象の商品は、月あたりの出荷件数が200〜300件増加するなど、目に見える成果が得られました。
また、今回初めて導入したレーザー彫刻機による製品では、月平均2,000件以上の受注を獲得。一点モノ対応への新たなチャレンジとして、順調な立ち上がりを見せています。
製品特性や運用ニーズに合わせて設計された体制は、柔軟な対応力と品質維持の両立を実現し、取引先からの信頼にもつながっています。
●今後の展開:挑戦に寄り添う対応力強化の取り組み
今回の対応では、システム設計や運用フローの構築など、初めて挑戦する領域も多く、さまざまな課題に直面しました。しかし、オンライン・オフラインを問わず“一点モノ”の製品を展開する新しい販売体制を立ち上げ、事業部独自のサプライチェーン構築も実現することができました。
お客様にもご満足いただき、さらに新たなブランドの業務委託として選定していただくこととなりました。
今回の対応で得たノウハウは、他のカスタム出荷や多品種対応にも幅広く応用できると考えています。
今後も物流体制を強化し、付加価値の高い個別対応で、荷主さまの多様なニーズに柔軟にお応えしていきます。
私たちは、設備×運用で“できない”を“できる”に変える物流体制を提供します。一点モノ対応やカスタム出荷の体制づくりにお困りの際は、ぜひご相談ください。
物流代行サービスについて詳細は、こちらをご覧ください。
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